大きくなった壁

気まずい雰囲気が、二人を包み込んでいた。

心が痛くて、涙が出そうになった時

「目が赤いよ？」　社長にそう言われて、少し焦った。

「大丈夫ですよーー＾＾」

―本当は、ここから逃げ出したいくらい　苦しいの。

そんな言葉、誰にも届かなかった。


頭の中には"後悔"の二文字。

メールなんか、送らなければ良かった。

あの人の「頑張れコール」に乗って、

アドレスなんか聞かなければ良かった。

「お疲れ様」とも言ってもらえなかった。

私も、何も言わなかった。

目は合った気がしたけれど、無言のまま店を出た。

心が痛むのを感じながら、がむしゃらに走った。

走って走って走って、エレベーターの中で蹲って

気がついたら

涙が溢れてた。

どうしていつも　うまくいかないんだろうね。

求めるのがいけないんだってコト、ちゃんとわかってたのに。

でも、これで踏ん切りがついたよ。

ありがとう。

さようなら。